kananet

神奈川県を中心とした中学受験・高校受験の情報交換ブログ

小石川中等教育学校男子が麻布中学の進学実績と同じという事実

お隣の小石川中等教育学校がすごいらしいね

f:id:kananet:20190402231737j:plain

神奈川県の公立中高一貫校は、県立相模原、県立平塚、市立南の3校が引っ張って、さらに市立川崎、市立サイエンスフロンティアが続いている。

この中で一番実績を出しているのは市立南だ。今春は東大に8人(現役7人)を合格させて、昔のような2番手校のイメージは皆無になった。

でも、もっと上には上がある。お隣の東京都は、神奈川県よりもずっとその先をいっている。東京都の中高一貫校は、小石川、武蔵、両国の3校が御三家で、さらに桜修館の躍進も著しい。

その中でも、最難関といわれているのが、小石川中等教育学校だ。神奈川県民も、中学受験生なら知っているに違いない。また、理化学分野の教育は国内屈指といわれているから、教育に携わったりする人、大学や研究の関係者にも知られている。

小石川中等教育学校の2019年度の進学実績はすごいと評判なので、分析をしてみた。男子で分析したよ。

 

小石川男子の東大+京大の超難関大現役進学率

東大の合格数は8割が男子。女子の比率は下がり続ける一方だとか。そうなれば、男子しかいない男子校のほうが数字が出るのは当たり前。それに、生徒数の違いも大きい。

だから普通、現役進学率で判断するし、男子校、女子校は別物で考えることが多い。小石川中等教育学校は共学校だけれども、男女別の実績が公表されているから、判断がしやすい。これは良いことで、他校も見習って欲しい。

男子だけを抽出した2019年の東大+京大の現役進学率はコレ。 

 

1 筑波大附属駒場 50.90%
2 開成中 36.40%
3 聖光学院 35.90%
5 麻布中 24.30%
4 小石川中 22.50%
5 栄光学園 20.90%
6 駒場東邦 18%

 

筑駒のチートのような無双ぶりが・・・。開成中は、率で見れば、実は筑駒にまったく敵わない。そして小石川中等教育学校は、麻布中学校とほぼ同じくらいの位置。神奈川の栄光学園中や、男子御三家の武蔵中より高い。

小石川中等教育学校の大学進学力の強さを見せつけられる数字。浪人を含まない、現役だけの数字で、麻布に並ぶというのは、強すぎる。

神奈川県の市立南も、同じような実績を出す時代がくるのかどうか。個人的にポイントは、高校募集を停止して、完全中高一貫校化が実現するかどうかだと思う。高校募集が停止されれば、外部生を気にせずにカリキュラムを組めるから、メリットが大きい。

 

小石川中等教育学校が結果を残せる理由

小石川中等教育学校が、男子御三家と同等の実績を残すことができる理由は何か。神奈川の一貫校も同じことができるのか。検討したい。

 

① カリキュラム

小石川中等教育学校は、御三家中ともまったく同じ検定外教科書を使用している。中3で高校内容に突入し、高2までに全範囲を終える。高校募集がないから可能なカリキュラムだ。

 

② 公募制による教員

小石川中等教育学校は、都内約3万人という膨大な中高教員の中から、公募制で高度な指導が可能な教員を集めている。英語、日本史、物理、数学など多くの教科書の巻末には、小石川中等教育学校の教員名が執筆者に名を連ねる。また大学でも講師を兼務する教師も少なくない。小石川中等教育学校は、都内の学問探求の中心地として、優秀な教員が集まっている。

 

③ 100年間一貫した理化学教育

小石川中等教育学校は、創立時代より理科と数学に力を入れ、科学技術の社会になることを見越して、科学者や発明家の養成を目指した特異な学校だ。専門別の授業や、大学教養課程まで踏み込んだ高度な実験や実習活動は昔から有名で、理化学の小石川として知られていた。こうした裏打ちされた教育の伝統が大学受験でも強さを発揮している。

 

④ 創立者の存在

小石川中等教育学校は、官学の私学と呼ばれている。それは、創立者がいるからだ。その名も、大正時代に自由教育を推し進めた、常識破りの天才教育者、伊藤長七だ。創立者伊藤長七は、「立志・開拓・創作」を掲げて、誰にもなしえないものを自らの手で創り出すことを主張した。これが今の小石川の教育理念や校風の根っこになっている。こういう学校は、方針が時代によってぶれないから、強い。

 

f:id:kananet:20190402231823j:plain

 

 こうして分析をすると、小石川中等教育学校が高い進学実績を残せるのは、偶然ではなく、小石川だからできたことだということに気がつく。

小石川中等教育学校は、大正時代にはすでに、都内有数の名門校として知られていた。そうした教育の積み重ねは、一長一短に成し遂げられるものではない。神奈川の中高一貫校がすぐに真似できるものではない。

しかし、カリキュラムや教員については、もっと改善の余地があるはずだ。現行に満足せず、小石川中等教育学校のような先進校に積極的に学ぶ姿勢を持って欲しい。